鳩山由紀夫内閣(当時)が2009年9月29日に決定した、10年度の予算編成に関する基本方針に基づき、各省庁が10月15日までに概算要求を再提出しなければならなくなったこと。前麻生太郎内閣が決定していた概算要求基準(シーリング)を廃止したことによる。概算要求は、次年度予算の編成にあたって各省庁が財務省に要求するもので、各省庁の大臣と副大臣、政務官の政務三役が予算をゼロベースで見直し、無駄を洗い出すことで概算要求をスリム化することが再提出の前提であった。しかし、政務三役は各省庁の予算規模の削減には向かわずに、むしろ予算規模を拡大させ、8月末の概算要求締め切り時点で約92兆1300億円だった一般会計総額は、再提出後には総額95兆380億円になった。金額を示さず項目だけを盛り込む事項要求も2兆円以上が見込まれたことから、実質97兆円という大幅な伸びになってしまった。政務三役は政治家によって構成されるが、その政務三役では官僚の力を押さえ込むことができなかったことが、概算要求を大幅に拡大させた原因と考えられる。