2005年のアメリカの対中国貿易赤字が2000億ドルを突破したことを受け、米中間の経済摩擦が激化している。とくにアメリカが中国に対して強い要求を出しているのは、「知的財産権保護」(中国製模倣品の取り締まり)と市場開放の2分野。前者については06年3月にアメリカ通商代表部が「深刻な問題」と指摘したほか、WTO(世界貿易機関)が06年4月に公表した報告でも中国の政策が批判の対象になった。WTOの報告はまた「割安な人民元相場」も批判している。緊迫した事態を受けて、中国政府は06年4月に知的財産権保護の強化に向けた行動計画を作成。同時にアメリカ企業からの買い上げ計画を発表するなどして摩擦の沈静化に努めている。