1995年1月発効のWTO（世界貿易機関）協定の不可分の一部として、金融、運輸、電気通信などのサービス貿易に対する各国の政策のあり方を規定したサービス貿易に関する一般協定のこと。GATSは、加盟国が協定を締結することにより負うことになる義務を、すべての分野について負うことになる義務と、「特定の約束を行ったサービス分野」で選択的に受け入れることができる義務、の2種類に分別している。すべての分野に適用される義務としては、特定の外国のサービスおよびサービス提供者を差別してはならないとする最恵国待遇の義務、すべての措置の内容公表を求める透明性の義務などがあげられる（ただし、最恵国待遇については、2国間協定に基づく優遇措置がある場合に例外登録が認められた）。また、特定の約束を行ったサービス分野で選択的に受け入れることができる義務について重要なものに内国民待遇がある。これは協定上、加盟国はある分野で特定の約束を行った場合、その分野で内外差別的措置をとることはできないとされている。