貿易に関連する投資措置に関する協定。直接投資受入国が、自国の経済、産業保護のために設ける制限措置のうち、貿易に対して制限的、歪曲的な効果を持つものの実施を規制したWTO（世界貿易機関）の条約。TRIMにより規制されたおもな措置として、(1)ローカル・コンテント要求（最終生産物の価値の一定割合が現地産品であることを要求）、(2)製造要求（企業が使用・販売する製品・部品を現地生産することを要求）、(3)輸出入均衡要求（企業の輸入の一定割合を輸出し、または部品輸入と製品輸出を結びつけることを要求）、(4)国内販売要求（生産の一定割合または最低量を国内市場で販売することを要求）、(5)為替規制（投資者の外国通貨へのアクセスを制限するか、輸出外貨獲得額とリンクさせる）、(6)輸出要求（生産の一定割合または最低量を輸出することを要求）、(7)技術移転要求（製造にあたり特定の技術を採用し、または特定の研究開発を行うよう要求）、などがある。しかしTRIMは対象範囲・参加国・効力などの面で限定的なもので、現在、多国間での包括的投資ルールは存在しない。