不当に安く販売される輸入品の流入を防ぐために、ダンピングによる不当な価格差を相殺するようにかけられる追加関税。正常価格とダンピング価格の差額内で関税が上乗せされる。ダンピングと認定すれば最長5年間課税できる。なお、WTO(世界貿易機関)のパネルは、アメリカが反ダンピング関税収入を被害業界に分配するバード修正法(バード修正条項ともよぶ Continued Dumping and Subsidy Offset Act of 2000)を協定違反とみなした。その後も、アメリカが同法を廃止しないことを受けて、WTOにバード修正法への対抗措置としての報復関税措置の承認を受けた8カ国・地域のうち、EU(欧州連合)は2005年5月、アメリカ製の農産物や紙、繊維などに15%の報復関税(自国の製品などに差別的関税や扱いがされた場合、撤廃させるために報復的にかける関税)を発動することを決め、カナダもこれに追随した。日本は報復関税を検討するものの、5月からの発動は見送る姿勢だったが、同年9月1日よりベアリングや鉄鋼製品など15品目に15%の追加関税を上乗せし、さらに06年8月にこの措置の1年延長を決めた。なお、アメリカは06年2月にバード修正法の廃止を決めた。