WTO(世界貿易機関)に申し立てられた協定上の紛争に関して、おもに法律的な立場から判断を下す小委員会(紛争処理小委員会)のこと。ウルグアイ・ラウンドの協定においては、それまでのルールではGATTの理事会において1カ国でも反対があればパネルの設置が不可能となっていた点を改めて、逆に1カ国でも賛成があればパネルの設置が可能となるネガティブ・コンセンサス方式を導入し、パネルの設置の自動化という点で大きな進歩があった。またパネルの法的解釈について、紛争当事国が不服な場合に、上級委員会への申し立てが可能となる2審制が採用されている。2004年にはアメリカとEU(欧州連合)の通商摩擦をめぐり、EUによる遺伝子組み換え作物の輸入規制、EU産食品の原産地名の使用規制という二つの争点について、ともにアメリカ側が審理を要求して、パネルの審査が開始された。これらの問題については、パネルにおいてWTO協定違反との認定が出されている。