スウェーデンの経済学者エリィ・へクシャー(1879~1952)が提唱し、同国人バーティル・オリーン(1899~1979)がさらにその考え方を展開させた理論。国際分業のパターンに関する、リカードの「比較優位の理論」以降、最大の理論的貢献といえる。この考え方に従えば、各国の輸出、輸入の構造を決めるものは、各国に存在する資本や労働といった生産要素の構成比である。自国の労働力に比べて、資本の存在量が少ない労働豊富国が、労働を比較的に多く使用する労働集約的な財を輸出するのに対して、自国の労働力に比して、資本を多く所有する資本豊富国は、資本を比較的に多く使用する資本集約的な財を輸出するだろうというのが、この定理による貿易パターンの予測である。