アメリカと中国間で起きた貿易をめぐる問題。2006年から07年にかけて、中国は、対米輸出を軸に貿易黒字が過去最高を更新し続け、アメリカとの間での摩擦が激化した。アメリカは、07年2月には、中国政府が輸出補助金により不当に自国産業を保護しているとしてWTO(世界貿易機関)に提訴。4月には中国の知的財産権の保護策が不十分として、知財保護と、外国製の映画や音楽ソフト、書籍に関する輸入障壁の見直しについても提訴に踏み切った。輸出補助金は8月に、模倣品・海賊版対策は9月に、映画・音楽ソフトの輸入障壁問題は11月に、それぞれパネル設置が決定した。また、中国製品に対して、5月末には紙製品のダンピングを決定、7月には鋼管に相殺関税を課した。これに対し、中国は、9月には紙製品のダンピング関税を不服としてアメリカをWTOに提訴、また、繊維輸出などに関してのアメリカなどの貿易障壁による損失が05年に8兆円と発表するなど、受けて立つ構えをみせている。