2008年のリーマン・ショック後に広がった、景気対策としての自国製品を優先的に購入する動き。結果的に自由貿易を阻害する保護主義の拡大につながる。09年2月にアメリカで成立した景気対策法はアメリカ製品の購入を義務づけるバイアメリカン条項が含まれ、5月には中国が政府調達での中国製品の優先購入を指示したバイチャイニーズが出されるなど、自国製品優遇の動きは世界的に広がった。WTO(世界貿易機関)が実施した保護貿易に関する調査では、08年10月以降の、自国製品優遇やセーフガード、関税引き上げなどの保護貿易措置導入は、09年3月調査で23カ国・地域で85件が、11月調査では52カ国・地域で290件に増加した。11月調査での1位はインドで措置数42件。2位アメリカで35件、3位アルゼンチンで27件、4位中国で26件、5位ロシアで25件と続く。こうした動きに対して、日本、スイス、韓国など15カ国・地域は09年11月に保護主義に反対し、自由貿易体制の堅持を求めた共同声明を出した。