アセアン(ASEAN 東南アジア諸国連合)関連首脳会議で、交渉立上げが宣言された広域自由貿易協定(FTA)。参加国はASEANプラス6で、ASEAN10カ国に加えて日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドが参加する。RCEPは、世界の国内総生産(GDP)の30%、世界の貿易の33%、人口の50%を占める。日本政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加に向けた事前協議が難航しているために、RCEPをテコに通商交渉を進める狙いがあった。ASEANを中心としたFTAでは、これまでは、中国が主張するASEANに日中韓を加えたASEANプラス3と、日本が推すASEANプラス6の両構想があったが、これを統合しようとする動きが10年に始まり、11年11月の東アジア首脳会合・ASEANプラス3首脳会合で、ASEANから新たな枠組みとしてRCEPが提案された。その後、12年8月の経財相会合で、交渉の目的や原則を示した「RCEP交渉の基本指針」がとりまとめられ、16カ国が13年から交渉を始めることで合意した。15年末までの交渉完了を目指し、14年3月までに3回の交渉会合がもたれた。