先進国並みに経済が発展した特恵受益国・地域や、高い国際競争力をもつ特恵受益国・地域の原産品を、特恵関税の適用対象から除外すること。特恵関税のメリットをより必要とする国・地域が享受できるようにすることがねらい。特恵関税制度は、開発途上国や地域を原産地とする特定の輸入品に対して一般の関税率よりも低い税率を適用して、開発途上国・地域の経済成長の促進を図ることを目的とする。日本の適用除外措置には、全面特恵適用除外措置(全面卒業)と部分特恵適用除外措置(部分卒業)の制度がある。適用基準は、随時見直されてきたが、直近では2017年に見直しが行われた。全面卒業では、これまでの3年連続で世界銀行統計の「高所得国」に該当するという基準に加えて、3年連続で世界銀行統計の「高中所得国」以上に該当し、かつWTO(世界貿易機関)統計で世界の総輸出額の1%以上を占めるという基準が追加された。部分卒業では、これまでの世界銀行統計で「高所得国」に該当するという基準に加えて、世界銀行の「高中所得国」に該当し、かつWTO統計で世界の総輸出額の1%以上を占めるという基準が追加された。実施はそれぞれ19年4月からと18年4月からを予定する。中国、メキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアが全面卒業の対象となるとみられる。