長期国債の市場で形成される利回りであり、長期国債の価格が上昇(低下)すれば利回りは低下(上昇)する。日本では、店頭市場における償還期間10年物の国債利回りが代表的である。量的緩和政策の下で日本銀行が長期国債買いオペレーション(公開市場操作としての長期国債買い入れ)の額を段階的に増やして2002年10月から1カ月当たり1.2兆円としたことや、デフレーションの長期化を見込んだ民間の銀行・生命保険会社などが長期国債を買い進んだことを背景として、長期国債利回りは、03年6月11日に既往最低の0.430%まで低下した。その後、03年後半からは国内および海外での株価が反転上昇したことを契機として長期国債利回りは上昇に転じ、量的緩和政策解除後の06年4月には一時的に2.0%台にまで上昇したが、06年秋以降は再び低下(価格は上昇)傾向となった。膨大な国債残高を抱える日本は、今後いかにして国債を円滑に発行・借り換えしていくのか、また国債費用の増大を防ぐのかという国債管理政策の難題を潜在的に抱えこんでいるが、当面の国債市場は平穏裏に推移している。