日本銀行の金融緩和政策の操作目標(あるいは誘導目標)として、従来のコールレートに代えて、金融機関が日本銀行に預けている当座預金残高(日銀当座預金残高)を用いること。2001年3月19日の日本銀行政策委員会・金融政策決定会合において「日銀当座預金残高が5兆円程度となるような金融市場調節を行う」こと、新しい金融市場調節方式を消費者物価指数の前年比が安定的にゼロ%以上になるまで継続することが決定された。量的緩和政策のもとで、コールレートは1999年3月から2000年8月のゼロ金利政策のもとでと同様に、ゼロ%で推移するようになった。日銀当座預金残高の誘導目標水準は、当初「5兆円程度」であったが、デフレ圧力の高まりや金融システム不安への対処をねらいとして段階的に引き上げられ、04年1月には「30兆~35兆円程度」にまで引き上げられた。その後、05年10月から消費者物価指数の前年比がゼロ%以上に転じたことなどを受けて、日本銀行は06年3月に量的緩和政策の解除に踏み切り、金融政策の操作目標を再びコールレートに戻した。ただし、コールレートの誘導目標は06年7月まで引き続きゼロ%とされた。