スイスのバーゼルにある国際決済銀行(BIS)に事務局を置くバーゼル銀行監督委員会が、2007年から本格的に導入した新たな自己資本比率規制(バーゼル2と略称)。1988年に、同委員会は、国際業務を営む銀行に対して自己資本比率(銀行などが保有する貸し出しや有価証券などのリスク資産に対する資本金や引当金などの自己資本の比率)8%以上を義務づける国際統一基準を定めた。新BIS規制では、分子の自己資本の計算方法および最低自己資本比率8%は従来どおりとする一方、分母のリスク資産として新たにオペレーショナル・リスク(銀行員の事務事故、システム障害などによりこうむるリスク)を追加しているほか、格付け(→「格付け会社」)に応じた信用リスク・ウエートの細分化や内部格付け手法の採用を認めるなど、信用リスクの計測手法を改善している。新BIS規制は、こうして計算された最低所要自己資本比率の維持(第1の柱)に加えて、金融機関自身が望ましい自己資本を維持管理するための内部プロセスと戦略を確保できているかを監督当局がレビューすること(第2の柱)、金融機関の情報開示を充実させることによって市場規律を強めること(第3の柱)を求めている。なお、日本の金融機関に対しては、2007年3月期決算から新BIS規制が適用された。