金融機関と地域顧客との間における長期継続的関係(間柄)を通じて、顧客の経営実態に関する情報を蓄積し、それをもとに貸し出しなどの金融サービスを提供する銀行モデル(通称、地域密着型銀行)。2003年3月の金融審議会報告「リレーションシップ・バンキングの機能強化に向けて」は、05年4月のペイオフ全面解禁までの2年間を地域金融機関(地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合)に対する「集中改善期間」とした上で、中小企業の再生や地域経済の活性化を図るために、リレーションシップ・バンキングを強化しながら、不良債権問題を解決していくべきことを提言した。これを受けた金融庁は、03~04年度と05~06年度の2回にわたり、リレーションシップ・バンキングの実現に向けた「アクション・プログラム」を策定・実行したが、地域密着型銀行モデルでは思いきって不良債権の処理を進めにくいのも事実であり、07年3月末における地域金融機関の不良債権比率は大手銀行と比べて高めになっている。この間、04年9月の「ほくほくフィナンシャルグループ」(北海道銀行と北陸銀行が経営統合)、10月の「西日本シティ銀行」(西日本銀行と福岡シティ銀行が経営統合)、06年2月の「紀陽ホールディングス」(紀陽銀行と和歌山銀行が経営統合)、10月の「山口フィナンシャルグループ」(山口銀行ともみじホールディングス/もみじ銀行が経営統合)、07年4月の「福岡フィナンシャルグループ」(福岡銀行による熊本ファミリー銀行の経営統合、10月には親和銀行も経営統合)など、地域金融機関の再編が加速している。