幹事金融機関(アレンジャー)が借入先の企業・公共機関などとの間で貸し出し金利や期間などの条件をあらかじめ決めておき、シンジケート参加金融機関が同じ条件で行う貸し出し(シンジケートローンともよばれる)。シンジケートローンは、従来において一般的であった個別相対(あいたい)での貸し出しと比べると、貸し手がリスクを分散できるし、市場での売買も容易になるという利点がある。日本では、1997年の金融システム危機の際に大手銀行が資産圧縮の手段としてシンジケートローンを利用し始めた。その後、大手銀行の統合・再編を経て、最近ではメガバンクが主幹事となって地域金融機関に参加を呼びかけるという形でシンジケートローン市場が拡大している。シンジケートローンには、タームローン(金額・期間を定めて融資する期間貸し)とコミットメントライン(融資枠を設定しておいて必要に応じて融資する方式)とがある。なお、シンジケートローン市場の拡大と並行して、相対型貸し出しを含めたローン債権の売買を行うローン債権市場が、小規模ながらも整備されつつある。