あらかじめ非接触型ICカードや携帯電話(「おサイフケータイ」)に入金しておくことにより、現金の代わりに支払い決済に使用できる先払い方式の電子マネー。2001年11月にソニーの子会社ビットワレットがEdy(エディ)、JR東日本がSuica(スイカ)の発行をそれぞれ開始して以来、両者が電子マネーの主導権争いを演じてきた。05年10月にはJR西日本がICOCA(イコカ)の発行を開始した。07年に入ると、3月には首都圏の私鉄・バス各社が運営するPASMO(パスモ)、4月にはセブン&アイ・ホールディングスのnanaco(ナナコ)とイオンのWAON(ワオン)が相次いで登場した。これら六つの電子マネーの合計で、07年度末の発行枚数は8000万枚超となり、07年度中の決済金額は約5600億円となった。各電子マネーの間では、利用可能店舗の拡大やポイントサービスの強化などにより、競争が一段と激化しているが、そうした顧客の囲い込み競争の中で、電子マネーの読み取り端末の共通化は遅れており、電子マネーの利用者にとっては不便な状況が続いている。なお、電子マネーとしては、NTTドコモや三井住友カードによるiD、JCBなどによるQUICPay(クイックペイ)、三菱UFJニコスのSmartplus(スマートプラス)のように、クレジットカードと同様に後で清算するポストペイド型もある。