金融機関からの申請に基づいて、国が公的資金を予防的に資本注入する枠組みを定めた法律。地域金融機関の経営統合・合併を促進することを主たる狙いとして2004年6月に国会で成立し、同年8月から施行されたものの、金融システムが全体的に安定化したことを背景として実際の利用状況は極めて低調なままで、08年3月末にはいったん期限切れを迎えた(利用例は、豊和銀行と紀陽ホールディングスの2件のみであった)。しかし、同年夏ごろからサブプライムローン問題による金融危機が世界的に進展する状況の下で、同年12月に、健全な金融機関の自己資本を手厚くすることによって中小企業向け融資を円滑にすることなどを狙いとした、新しい金融機能強化法が成立した。金融機能強化法に基づいて預金保険機構に設けられる金融機能強化勘定は、08年3月末までの2兆円から同年12月には12兆円へと増額された。