アメリカの住宅ローン(モーゲージ)市場のうち、低所得者やクレジットカードローンの延滞者など信用力の低い個人向けのもの。当初の2年間は低金利だが、その後金利が引き上げられる仕組みになっているものが一般的である。サブプライムローンは、住宅ブームの最中であった2004年ごろから拡大し、06年末時点での残高は約1.3兆ドル(モーゲージ市場の約1割)に達した。また、サブプライムローンの多くは他のモーゲージとともに証券化されてモーゲージ担保証券(MBS mortgage backed securities)が組成され、さらに、それらのMBSなどをプールした債務担保証券(CDO)が組成されて、アメリカ内外の金融機関やファンドなどに転売された。07年に入って住宅価格が下落に転じると、通常の住宅ローン(プライムローン)への借り換えに失敗した借り手の破綻が急増し、住宅ローン専門会社が相次いで破綻した。同年夏にかけては、サブプライムローンに関連したCDOの価格が大幅に値下がりしたため、それらを保有していたアメリカ内外の金融機関やファンドに多大な損失が発生し、同年8月に、アメリカの証券大手ベア・スターンズ傘下のヘッジファンドなどが解約殺到によって経営危機に追い込まれた。さらに、08年9月にはアメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが破綻したのをきっかけとして、一挙に世界的な金融危機へとつながった。