金融システムを安定化させる目的で金融機関に対して公的資金による資本注入を行うこと。1998年の金融機能早期健全化法に基づき、2001年3月末までの時限的な措置として導入され、金融機関の発行する優先株、劣後債、劣後ローンを、預金保険機構が購入するという形で行われた。1999年3月、都市銀行など15行に対して総額7兆4592億円の資本注入が行われた後、2001年3月末までに地方銀行や第二地方銀行16行に対しても資本注入が行われた。01年4月以降は、改正預金保険法102条に基づき、首相を議長とする金融危機対応会議が金融システム危機の恐れがあると判断した場合には、預金保険機構に設けられた金融危機対応勘定を発動して、(1)経営危機に陥った金融機関への資本注入、(2)破たんした金融機関の預金保護、(3)破たんした金融機関の一時国有化、に充当できるようになった。03年11月には、足利銀行が経営破たんと認定され、国が全株式を保有する特別危機管理銀行として一時国有化された(旧経営陣は退陣し、池田憲人氏が新頭取に就任した)。04年8月からは金融機能強化法が施行されて、機動的に公的資金注入ができるようになった。