家計、企業、政府などの経済主体が、さまざまな金融取引を行うために利用する金融市場や、金融機関などの全体を指す概念。金融システムをその機能に即して具体的にみると、さまざまな財サービスの決済を行うための決済システム、貯蓄を保有する主体から投資に必要な資金を調達する主体へと資金を仲介する金融仲介システム、中央銀行の供給するマネタリー・ベースをもとにその何倍かのマネーサプライを創造する信用創造システムなどのサブ・システムに分かれる。従来の日本の金融システムは、銀行などの預金取扱金融機関による預金・貸し出しを中心としたシステムであり、家計の貯蓄は主として銀行などへの預金となり、企業の資金調達は主として銀行などからの借り入れ(すなわち、銀行貸し出し)という形態をとってきた。また、銀行などの預金が最も一般的な決済手段として利用されてきた。