国際的な金融センター競争において、ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポールなどに対して劣勢にある日本の金融・資本市場をてこ入れする狙いで、2007年12月に金融庁が発表した強化プラン。日本にとっては、1986年の「日本版ビッグバン」に続く、第2次の大胆な金融・資本市場改革案として位置付けられる。「金融・資本市場競争力強化プラン」は、上場投資信託(ETF)の多様化、総合取引所(株式・債券・商品先物などを1カ所で取り扱う取引所)の解禁、プロ向け市場(機関投資家などだけに参加者を限定することにより、上場ルールの緩和を可能にする市場)の創設などによって市場の多様化を図るとともに、銀行・保険会社の業務範囲拡大(具体的には、イスラム金融や排出権取引など)や証券会社を含めた業務隔壁(ファイアーウオール)の緩和などによって金融機関の業務面における多様化・融合をも目指している。2008年12月には、「金融・資本市場競争力強化プラン」の内容を実現すべく、改正金融商品取引法が施行された。