金の地金(延べ棒)、金貨、金ETF(金の相場に連動する上場投資信託)などを対象とした投資。金は日々価格が変動する商品であり元本割れリスクはあるが、宝飾品としての需要など、それ自体として価値を有するため、株式・社債のように発行体の破綻によって無価値の紙くずになってしまうことはない。また、1971年に金とドルとの交換が停止された後も、各国の政府・中央銀行が金を外貨準備の一部として保有し続けるなど、金は通貨としての性格をも有している。このため、サブプライムローン問題によって欧米各国が金融危機に陥る中で、世界全体として「有事に強い」金への投資が増加する傾向にある。日本国内では、貴金属商や鉱山会社などが金の地金を取り扱っており、1kgまでのさまざまな大きさでの売買が可能であるが、500g未満の場合にはバーチャージとよばれる手数料がかかる。また、これらの貴金属商・鉱山会社などでは、小口の金投資手段として、金融機関の口座から毎月一定額を引き出して金購入に充てる「純金積み立て」とよばれる商品を取り扱っている。このほか、小口の金投資手段としては、「ウィーン金貨」「メイプルリーフ金貨」などの金貨(単位は1~10分の1トロイオンス)もある。金ETFとしては、2007年8月に大阪証券取引所が金価格に連動する債券で運用するETF、08年6月には東京証券取引所が金の現物を裏付けとするETFを、それぞれ上場した。