物価が持続的に下落する状態のこと。リーマン・ショック後の日本経済は、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)が2009年3月から11月まで8カ月連続で前年比マイナス(8月の前年比はマイナス2.4%と過去最大のマイナス幅)となり、名目経済成長率は08年第2四半期から09年第3四半期まで6期連続で前期比マイナスを記録した。こうした状況の下で、09年11月20日の経済関係閣僚会議において菅直人副総理兼経済財政担当相(当時)が、「わが国経済は緩やかなデフレ状況にあると判断した」というデフレ宣言を発表した。06年7月に政府の月例経済報告から「デフレ」の文言が削除されて以来、3年5カ月ぶりのデフレ宣言であった。これに呼応する形で、日本銀行は12月1日の臨時金融政策決定会合でデフレーション対策を狙いとした新型オペ(→「日本銀行新型オペ」)の導入を決定したほか、12月18日の金融政策決定会合では中長期的な物価安定の目安として、従来の「消費者物価指数の前年比が0~2%程度」から「2%以下のプラスの領域」に変更するとともに、「マイナスの値は許容していない」との見解を公表した。