銀行の自己資本比率規制(→「新BIS規制」)において、資本としての質が高いとされる中核的自己資本(TierI)から、優先株や優先出資証券などを除外したもの。バーゼル銀行監督委員会が2009年12月に公表した、国際的な大手銀行を対象とする金融規制改革案では、リーマン・ショック以降の金融危機に際して明らかとなった金融規制の不備を見直す一環として、自己資本比率規制を「質と量」の両面で強化するとともに、好況時に自己資本を厚く積み、不況時に取り崩す資本バッファーの仕組みを導入する方針を打ち出した。「質」の面では、銀行の健全性を図るための新たな指標として、事業を継続しながらの損失吸収力が高いコア自己資本(普通株式および内部留保で構成される)が設けられる。一方、「量」の面では、同改革案ではまだ具体的な数値基準は示されていないものの、自己資本比率8%以上、うち中核的自己資本で4%以上という現行基準が、コア自己資本で4%以上(好況時には更に積み増し)などという形で強化される可能性が高いと見られている。なお、新規制は、10年末までに数値基準を確定した後、12年末を目標に景気回復が確実になった時点で段階的に実施される予定とされている。