1999年に日本開発銀行と北海道東北開発公庫が統合してできた政府系金融機関。自由民主党の小泉純一郎内閣による政府系金融機関改革(→「日本政策金融公庫」)の一環として、2008年10月に特殊法人から株式会社(ただし、当初は全額政府出資)に変更された後、5~7年かけて政府保有株式を全額売却して完全民営化される予定であった。しかし、リーマン・ショック後の09年12月には、政府による企業の資金繰り支援措置として、日本政策投資銀行を通じた大企業・中堅企業向け低利融資制度(年1兆円)や企業からのコマーシャル・ペーパー買い入れ(最大2兆円)が実施されるなど、金融危機に際して政策金融の重要性を再評価する機運が一挙に高まった。このため、09年6月には、自由民主党の麻生太郎内閣の下において「改正日本政策投資銀行法」が国会で成立し、完全民営化の時期を3年半延期するとともに、11年度末をめどに完全民営化の撤回を含めた再検討を行うことになった。なお、日本政策投資銀行と同時に完全民営化される予定であった商工組合中央金庫についても、民営化を再検討する趣旨の法律改正が行われた。