農業協同組合と漁業協同組合の貯金者を保護することを目的として1973年9月に設立された機構(現在の正式名称は、農水産業協同組合貯金保険機構)。資本構成は、政府、日本銀行、農林中央金庫、農漁協などが、4分の1ずつ出資している。銀行および信用金庫の預金者を保護する預金保険機構と基本的に同じ機能を果たしている。現在の貯金者保護の範囲は、決済用貯金については全額保護、それ以外の貯金については貯金者1人当たり元本1000万円(および利息)までとなっている。86年には経営困難に陥った農漁協を合併等によって処理するための資金援助制度が導入された。また、2011年7月には東日本大震災によって被害をこうむった農漁協に対して資本支援できる特例措置が設けられた。農林中央金庫と農林水産省は、11年12月に宮城、岩手、福島の東北3県の9農漁協に対して貯金保険機構の資金を使った予防的な資本注入を行う方針を固め、12年度中の実施を目指している。