政府が定期的に発行している個人向け国債が、2011年12月から個人向け復興国債に名称変更された。同国債の発行によって調達された資金は、東日本大震災の復興費用に充当される。従来どおり、固定金利の3年物と5年物、半年ごとに金利を見直す変動金利の10年物という3種類が販売されるほか、12年3月からは変動金利10年物の変形である個人向け復興応援国債が新たに発売される。個人向け復興応援国債は、当初3年間の金利が0.05%と低く固定され(4年目以降の金利は従来の変動金利型と同じ)、その分だけ国が利払い費用を節約できた分を復興資金に回せる一方、投資家は、購入から3年間に中途換金しなければ、購入金額に応じて復興記念の金貨や銀貨(1000万円で額面1万円の金貨1枚、100万円で額面1000円の銀貨1枚)をもらえるという特典がある。金貨・銀貨付き復興応援国債を従来型の10年物変動金利国債と比較すると、投資家にとっては、金貨・銀貨の実質的な価値を考慮に入れても後者の方が有利であり、前者の購入はあくまでも復興に貢献するためのものと承知しておくべきであろう。