中央銀行の金融政策の最終目標である物価安定について、その達成に中央銀行がコミットメントする具体的な目標値(あるいは範囲)。日本銀行は、2012年2月14日の政策委員会金融政策決定会合において物価安定の目途(price stability goal)として、「消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあるが、当面は1%を目途とする」と発表した。しかし、12年12月の衆議院議員総選挙において圧勝した自由民主党の安倍晋三総裁が明確な物価目標として消費者物価の前年比上昇率2%を要請し、政府と日銀の間で政策協定(アコード)の締結を強く求めたことから、より明確な物価安定目標の設定を余儀なくされた。安倍自民党・公明党連立政権発足後の13年1月22日に、政府・日銀は、(1)日銀は物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とし、できるだけ早期に実現すること、(2)政府は日本経済の競争力と成長力の強化に取り組むとともに、持続可能な財政構造の確立に向けた取り組みを推進すること、(3)こうした政府・日銀の取り組みを経済財政諮問会議で検証すること、などを内容とする共同声明(政府・日銀共同声明)を発表した。