株式価格、土地価格、債券価格などの資産価格が、それらが生み出す収益に基づいて計算される本来の価格(いわゆるファンダメンタルズ価格)から乖離(かいり)して上昇し続ける状態。バブルの例としては、17世紀オランダのチューリップ熱、18世紀イギリスの南海泡沫会社(サウスシー・バブル)、1920年代のアメリカにおけるフロリダ州の土地ブームとウォール街の株式ブーム、80年代後半の日本におけるNTT株ブームと「国際金融センター東京」構想をはやした狂乱地価、90年代のアメリカ・シリコンバレーにおけるハイテク・ブーム、2000年代のアメリカにおけるサブプライム・ローン住宅ブームなどが挙げられる。バブルは、本来の価格から上方乖離している状況が続くという意味では非合理的な現象にみえるが、多くの投資家が当面さらなる価格の上昇を予想しており、最終的にバブルがいつ崩壊するのかはわからないという条件の下では合理的な現象(いわゆる合理的バブル)ともいえる。バブルは、銀行貸し出しなど金融機関による信用供与の大幅な増加、短期調達・長期運用による期間ミスマッチの拡大など様々な形で現れる金融的不均衡を伴うことが多い。また、1980年代後半の日本において典型的であったように、奢侈(しゃし)品などへの過剰な個人消費や、過大な企業設備投資などによる景気拡大をもたらす場合には、バブル景気ないしはバブル経済とも称される。