2012年4月に国会で成立した日本郵政グループの組織再編などを定めた法律。自由民主党・公明党・民主党の共同提案により改正郵政民営化法は、(1)日本郵政グループの郵便局会社と郵便事業会社を統合して日本郵便とし、従来の5社体制を4社体制に再編する、(2)郵便局をあまねく全国に設置し、郵便、貯金・保険を郵便局で一体的に提供する、(3)政府は持ち株会社日本郵政の株式の3分の1超を保有し、残りは早期に処分する、(4)日本郵政が保有するゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式は出来る限り早期に売却する、というものである。05年9月に国会で成立した従来の郵貯民営化法では、日本郵政が17年9月末までにゆうちょ銀行とかんぽ生命保険のすべての株式を売却すると定めていた。改正法はこれを努力規定に改め、日本郵政が両社の株式を持ち続けることを可能にした。改正郵政民営化法の成立により、小泉純一郎元首相が掲げた郵貯完全民営化路線は大きく後退することになった。なお、鳩山由紀夫内閣(民主党・社会民主党・国民新党の連立政権)の下で09年12月に成立した郵政株式売却凍結法は、改正郵政民営化法の成立に伴い廃止された。