2016年に創設予定の20歳未満を対象とする少額投資非課税制度(NISA、ニーサ)。政府は、NISA の投資枠を現行の年100万円から120万円へと拡充するとともに、新たに20歳未満を対象とする子供版NISAを創設する方針を固め、15年度の税制改正大綱に盛り込んだ。子供版NISAは、両親や祖父母が子供や孫の名義で投資する場合、年80万円までを非課税とするものであり、非課税期間はNISAと同様に5年間である。開設する際には、金融機関に証拠書類として住民票や戸籍謄本・抄本の提出を求められる。子供版NISAは、一般のNISAがいつでも中途売却して非課税で資金を引き出せるのと違って、対象となる子供が18歳になるまでは非課税で引き出せない。もし中途で引き出す場合には、それまでに生じた利益に課税されることになる。子供版NISA創設の狙いは、個人金融資産の大半を保有する60歳以上の世代から形式的には孫の世代に(実質的には子の世代に)資産移転を促すところにある。