非常時において銀行預金などの引き出しを制限すること。第2次世界大戦後の日本では、激化するインフレーションを鎮静化する狙いで、1946年2月17日に「金融緊急措置令」と「日本銀行券預入令」を公布施行して、「新円切り替え」および「預金封鎖」を実施した。新円切り替えとは、流通中の日本銀行券を同年3月3日以降は「旧券」として使用できないようにすることであり、一人100円だけ「旧券」から「新券」への交換を認めたが、残りの「旧券」はすべて金融機関に預け入れさせて封鎖預金とするものであった。また、預金封鎖とは、金融機関の預貯金などの引き出しを原則的に禁止し、生活費や事業資金について一定の使途・限度内でのみ引き出しを承認するものであった。46年7月に連合国最高司令部(GHQ)の指示によって戦時補償(軍需会社に対する代金支払い・補償金など)の全面打ち切りが決定されたことから、同年8月11日には、金融機関の再建整備のための応急措置として、封鎖預金を一定金額内の第1種とそれ以外の第2種に区分した上で、後者については棚上げ措置がとられた。最終的には、かなりの部分が切り捨てられた。非常時において預金は安全資産ではないことを歴史が教えてくれる。