国債のアウトライト(売り切り、買い切り)取引の標準的な決済期間を約定日の翌日(T+1)に短縮すること。2008年9月のリーマン・ショックに際してフェイル(証券受け渡しが決済期限までに行われないこと)が大量に発生し日本の国債市場が混乱に陥ったことから、決済リスクを削減するために従来は約定日の3日後決済(T+3)であった国債の決済期間を短縮化することが指向された。12年4月には約定日の2日後決済(T+2)が実現した後、同年11月には市場関係者による「T+1化に向けたグランドデザイン」が発表され、18年度上期をめどにT+1化の実施を目指している。これに伴い、(1)決済資金を円滑に調達するためのGCレポ(銘柄を特定しないレポ取引)をT+0(約定日の当日決済)にすること、(2)レポ取引(買い戻し・売り戻し条件付き取引)を売買形式での「新現先取引」(→「債券現先市場」)に一本化すること、(3)国債取引をSTP化(売買から決済に至るまでの過程を、人手を介さずに電子化)すること、などの対応が求められる。なお、15年末時点で国債決済のT+1化が実現している主要国はアメリカとイギリスのみであり、イギリス以外のヨーロッパ主要国はT+2決済となっている。