銀行などの金融機関が、巨大な金庫のスペースの一部を個人や法人に貸し出し、貴重品を預かるサービス。貸金庫のサイズ・料金は、金融機関によって区々であるが、一例として、縦12センチ×横25センチ×奥行45センチの貸金庫が年2万5000円程度で提供されている。貸金庫に預けるものとしては、極めて重要で自宅に保管した場合に万が一の盗難が心配であり、同時に日常生活において頻繁に使用する必要がないものが適しているといわれている。具体的には、(1)自宅など土地家屋の権利証、(2)印鑑登録済みの実印、(3)保険・年金の証書、(4)金など貴金属(→「金投資」)、等々が挙げられる。そのほか、銀行印と預金通帳を一緒に保管することが不安な場合には、銀行印のみを貸金庫に預けることも考えられる。また、100万円単位の現金が必要となる場合に備えて、事前にある程度まとまった現金を貸金庫に保管しておくことも、定期預金金利が限りなくゼロに近い状況においては、貸金庫の利用者にとって合理的な選択である。2016年末の日銀券発行高は102兆円と初の100兆円超となったが、その主因は銀行預金の金利低下によって貸金庫での現金預かりを含めたいわゆる「タンス預金」が増加したためとみられる。