税引後利益を株主への配当と内部留保(事業への再投資)にどう配分するかを決めること。言い換えれば、株主への価値還元をいかに行うかという考え方。日本企業はこれまで、額面当たりの配当金額を一定とする安定配当を重視してきたといわれる。また業績に連動させる場合でも、グループ内で収益を調整し、子会社の利益を厚くする一方、親会社の利益を抑えることで配当による資金の外部流出を少なくする傾向があったといわれる。しかし2000年3月期から連結決算中心主義に移行したことを受けて、配当政策も連結ベースの業績に連動させる企業が増えてきた。また、06年5月に施行された会社法では、配当の回数制限が撤廃された。これにより、企業は四半期ごとなど、適宜配当を行うことができるようになった。柔軟な配当は、株主から見た株式の魅力を高めるものであり、M&Aが台頭するなかで、安定株主施策の一つとして注目されている。なお、従来の商法では資本金の額によって配当が制限されたが、会社法では純資産額によって剰余金の配当が制限されることとなった。