企業活動を環境、経済、社会の三つの面からとらえてまとめた報告書。持続可能性報告書、CSR報告書などともよばれる。環境活動だけでなく、人権や労働慣行等にかかわる社会的な取り組みについても報告を行う点で、環境報告書とはやや性格を異にする。持続可能性報告書発行の背景には、企業の社会的責任(CSR)への関心の高まりを受けて、企業価値を環境、経済、社会の三つの側面(トリプル・ボトム・ライン)から評価しようとする国際的潮流がある。オランダのアムステルダムに本部を置くGRI(Global Reporting Initiative)が、持続可能性報告に関するガイドライン“Sustainability Reporting Guidelines”を公表したことも、企業の取り組みを活発化させる要因となっている。また、各国における企業の環境報告書の表彰制度も持続可能性報告書の表彰という方向に変化してきている傾向にあり、このことからも環境だけでなく社会的な側面を関連させて企業活動を行うということが重視されるようになってきていることがわかる。