資産または負債を、測定時点の公正価値(時価)で測定する会計システム。アメリカや国際財務報告基準(IFRS)では、企業が保有する資産を公正価値により測定しようとする動きが活発化している。すでに金融商品などでは公正価値会計が適用され、公正価値会計の対象となる資産の範囲も拡大する傾向にある。公正価値会計の利点は、価格変動による利得および損失が反映されるために、企業の現在の財政状態を適切に示すことができ、投資家に対して有用な情報を提供するといわれている。また、おもに市場価格によって評価されるために、経営者の見積もりを排除できるともいわれている。一方で、市場価格がない資産や負債の公正価値の算定にあたっては、経営者の将来予測や見積もりが必要となることが多く、利益の質が低下するといった懸念や、監査が困難になるといった指摘もなされている。