株式を取得して経営支配権を確保した後、企業価値を破壊するような買収者のこと。ライブドアによる敵対的買収を防ごうとしたニッポン放送の新株予約権の発行差し止めを巡る仮処分決定で、東京高裁は敵対的買収者に対して新株予約権の発行を行うことが正当なものであると例外的に認められる四つの類型を示した。すなわち、(1)経営に参加する意思がないにもかかわらず、高値で株式を会社関係者に引き取らせる場合(グリーンメーラー)、(2)会社を一時的に支配し、当該会社の知的財産や企業秘密、取引先などを買収者に移譲させる場合(焦土化経営)、(3)会社を支配した後、会社資産を買収者の債務の担保や弁済原資に流用する場合、(4)会社を支配した後、不動産や有価証券などの資産を売却し、その利益で配当を高くし、株価をつりあげて売り抜ける場合、の四つである。2007年7月、アメリカの投資ファンドのスティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、東京高等裁判所はスティールを乱用的買収者と初めて認定し、申し立てを却下した。