リース会計は、リース取引に対して適用される会計処理。リース取引とは、特定の物件を所有している貸し手(lessor)が借り手(lessee)に対して一定の期間それを使用する権利を与え、借り手はその対価として決められたリース料を貸し手に支払う取引をいう。従来、このようなリース取引はその法的形式に従って賃貸借取引として処理されてきたため、オフバランス取引(貸借対照表に計上されない取引)となっていた。しかし、リース取引の中にはその経済実態が売買取引とみなされるものがあり、それを賃貸借取引として処理するのは適切ではない。こうしたことから、1993年、企業会計審議会は「リース取引に係る会計基準に関する意見書」を公表した。ここでは、リース取引はファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分されている。このうちファイナンス・リース(契約期間における中途解約が認められず、かつ、借り手が実質的にその資産にかかわる利益を享受し、コストを負担するリース取引)は、その取引実態が売買取引に相当するものであり、売買取引に準じてオンバランスとすべきであるとされた。所有権移転ファイナンス・リース取引と異なり法的には賃貸借の性格を有する所有権移転外ファイナンス・リース取引は原則売買処理とされ、例外的に賃貸借処理を認めていた。しかし、実務上ほとんどの場合には賃貸借処理が選択されていた。その結果、その後、例外処理がほぼすべてを占めるような状況が生じてしまった。これを受け、2007年3月、ファイナンス・リースに関し原則処理を求めた、「リース取引に関する会計基準」が企業会計基準委員会(ASBJ)から公表されたことで、企業会計上の例外処理が排除されることとなった。同基準は、09年3月期決算から適用されている。