日本の企業会計基準の審議、開発、国際的な会計基準の整備への貢献などを担当する機関。2001年7月に設立された財務会計基準機構(FASF Financial Accounting Standards Boards)の中核組織。会計基準の設定に専念する常勤委員3人を含む13人の委員構成でスタートした。企業会計基準委員会(ASBJ)はパブリック・セクター(政府機関)から独立したプライベート・セクター(民間組織)による、いわゆるアメリカ・イギリス型の会計基準設定主体といえる。国際会計基準審議会(IASB)理事会メンバーとリエゾン関係にある各国の会計基準設定主体は、政府機関からの独立性を強く求められる。日本ではこれまで金融庁の諮問機関である企業会計審議会が会計基準の設定を行っていたことから、この要件を満たせていないと解釈される可能性があった。このため、IASBにリエゾン(ここでは各国の会計基準設定主体との調整役を果たす委員の意味)を送り込めない可能性もあった。そこで大蔵省(当時)、日本公認会計士協会、経団連など関係10団体の支援によって、新組織の設立が実現した。なおASBJは現在、IASBと共に、日本基準と国際財務報告基準(IFRS)を収斂する作業(コンバージェンス)を進めている。