1973年に設立されたアメリカの会計基準設定機関。企業会計基準委員会(ASBJ)同様、プライベート・セクター(民間機関)である。そのため、アメリカ証券取引委員会(SEC)とアメリカ公認会計士協会(AICPA)がFASBの公表する会計基準に強制力を与えている。メンバーは7人の独立性を持つ有給の常任委員からなる。FASBの基準設定プロセスの特徴は、事前調査・審議議題としての承認・初期審議・暫定決議・追加審議・最終決議といった一連のデュー・プロセスを経て最終的な基準が設定される点にある。この過程で「討議資料」「公開草案」などが公表され、それに対するコメントが求められる。FASBの公表物のうち、特定領域の会計処理を規定した基準がSFAS(Statement of Financial Accounting Standards 財務会計基準書)と呼ばれる。なお、現在ではこれらの会計基準や関連する指針が体系化・成文化されたASC(Accounting Standards Codification 会計基準編纂書)が公表されている。