損益計算書における当期純損益と貸借対照表における純資産(資産総額から負債総額を差し引いたもの)の増減が一致している状態。このとき、純資産の増減からは資本取引(増資や減資など直接純資産を増減させるような取引)の影響を取り除く。クリーン・サープラスというのは、サープラス(剰余金)に損益以外の項目が混入していない(クリーンである)という意味。一般に、純資産の変動は株主資本の運用効率を示すものとして着目される。クリーン・サープラス関係が成立しているときには、この純資産の変動に期中の損益取引がすべて反映されていることになり、企業評価における有用性や信頼性の高い指標となる。現行の日本基準の財務諸表は、「その他有価証券評価差額金」等の損益計算書を通らない純資産の増減があるため、クリーン・サープラス関係が保たれていないようにも見えるが、損益計算書における当期純損益と貸借対照表における株主資本(資本取引を除く)の増減との関係に着目することも考えられる。