公共施設の整備や運営を民間が担う手法。インフラの建設や運営に民間の資金やアイデアを生かし、低コストで質の高い運営を促すしくみ。自治体の負担軽減や行政サービスの維持につなげる狙いだ。日本は1999年にPFI法の成立に伴い導入した。上下水道などのインフラは人口減少などで利用者が減少傾向にある。老朽化に伴う施設の更新費も重く、経営は厳しさを増す。政府は民間の効率的な運営を促すため、PFI法の改正を重ねてきた。2011年に施設の利用料金を民間事業者が決定できるようにした。13年には事業者に金融支援する官民ファンドを設けた。空港や道路の運営権の売却事例は出始めている。16年に関西国際空港や伊丹空港、仙台空港、愛知県の有料道路で民間運営が始まった。18年には神戸空港や高松空港、浜松市の下水道で始まる。だが、全国的にはこうした例はまだ少なく、売却時の自治体の手続きや財政負担の軽減などが課題になっている。