外国の会社が日本国内で設立した子会社と日本の会社とが合併する際に、外国の親会社が発行する株式を合併対価とした株式交換を行う方式。外国の会社は、日本の会社法上の会社ではないため、直接日本の会社とは合併できない。しかし、合併のために国内に設立した子会社は、通常、株式を公開していないため、株式交換による合併は相手方となる日本の会社の株主に受け入れられない。そこで三角合併が活用されることになる。アメリカでは、ダイムラー・ベンツによるクライスラー買収や京セラによるAVX買収などで三角合併が活用されており、日本でも2003年の産業再生法改正で、主務官庁による認定を条件として解禁された。06年5月に施行された会社法には、三角合併を一般的に認める内容が盛り込まれているが、外国企業による日本企業買収を助長するとの批判が高まり、他の規定よりも1年間遅れて施行されることになった。その間に、多くの日本企業が買収防衛策を導入したが、実際には、双方の株主総会の特別決議が必要となる三角合併が、敵対的買収に用いられる可能性は小さい。