証券取引所の機能のうち、上場審査、売買審査、上場管理、会員考査といった自主規制業務を担当する法人。2006年6月に成立した金融商品取引法は、証券取引所の自主規制機能を強化するために、自主規制業務を統括する自主規制委員会の設置や、取引所を会員とする自主規制法人への業務委託を可能にしている。近年、世界的な市場間競争の激化を受けて、証券取引所が会員組織から営利を目的とする株式会社組織への転換を進めている。株式会社化は、経営の効率化や資金調達手段の多様化につながるが、市場運営業務による収益の拡大を急ぐあまり、自主規制業務への資源配分をおろそかにしたり、上場審査を甘くするなど、自主規制業務の適正な運営がゆがめられる危険性もある。2007年11月には東京証券取引所の自主規制法人が発足したほか、海外でもアメリカのNYSE(→「NYSEユーロネクスト」)も、株式会社化にあたって自主規制法人を設立し、自主規制業務の独立性確保を図っている。