上場企業が行う投資家向けの広報活動。通常の広報活動(PR)が取引先や一般消費者を対象とし、企業のイメージアップや新商品の周知などをねらいとするのに対し、IRは、機関投資家や証券アナリストを対象に、企業が資本市場で正当な評価を得ることを目的とする。法律上要求される企業情報開示や証券取引所が要請する適時開示(タイムリー・ディスクロージャー)を補完し、投資家の投資判断のために必要な情報を提供するIRの役割は大きい。最近では、インターネットを通じた個人による株式投資の拡大を反映し、個人向けのIR活動を充実させる動きもみられる。IR活動にあたり、企業が最も注意すべきことは、従来のPRが企業に都合の良い情報の伝達だけでも構わなかったのに対し、IRの場合、自社に都合の悪い情報をも隠すことなく、投資判断に有益な情報を継続的に発信していかなければならないという点である。