貸出債権や不動産など、通常は売買が容易でない資産を特別目的会社(SPC)に譲渡し、SPCがその資産を見合いに証券を発行して資金を調達するファイナンス手法。1970年代のアメリカで行われた政府系機関による住宅ローンの証券化が最初の例。その後、クレジットカード債権、自動車ローン債権、不動産など様々な資産を証券化する資産担保証券(ABS asset backed securities)が発行された。証券化によって、原資産の所有者は、資産を自らの貸借対照表から外し(オフ・バランス化)、資産の圧縮と資金調達を実現することができる。投資家は原資産所有者の信用度にかかわりなく、資産の内容のみに着目して投資判断ができる。日本でも、90年代に入って、ノンバンクの資金調達多様化をねらいとしたリース・クレジット債権の証券化が図られ、特定債権事業法などが整備された。その後、98年にSPC法が制定され、貸付債権(ローン)を証券化したローン担保証券(CLO collateralized loan obligation)など、新たな商品が登場した。