市場の動きを代表する株価指数などのインデックス(指標)を模倣する運用手法。個別銘柄に関する情報収集、分析に基づいて銘柄選択を行うアクティブ運用と対比される。機関投資家の運用に対するパフォーマンス評価は、市場を代表するインデックスをベンチマーク(基準)として行われるため、パッシブ運用を徹底すれば、平均的なパフォーマンスを安定的に上げられるということになる。しかも、機関化現象が進んだ効率的市場では、市場を上回るパフォーマンスを長期的に継続することは困難だとされる。事実、アメリカの株式市場では、1990年代後半、アクティブ・ファンドがS&P500株価指数を上回るパフォーマンスを上げられず、インデックス・ファンドやETF(特定の株価指数に連動する上場投資信託)といったパッシブ型の商品が残高を伸ばした。もっとも、すべての投資家がパッシブ運用に移行すると、企業分析が行われなくなり、市場の効率性も低下するという根本的な矛盾もあり、アクティブ運用の意義が失われたわけでは決してない。