格付けが投資適格(格付け機関が公表する信用格付けでBBB以上)に満たない社債。投資価値のないゴミくずのような債券という意味でジャンク債とよばれる。しかし、実際には、経営破たんの恐れの高い企業だけでなく、現在は低い格付けを得ていても、将来は潤沢なキャッシュフローを生み出す可能性のある企業が発行するケースも多い。そこで、単に高い信用リスクに見合った高利回りの債券という意味でハイイールド債(high yield bond)とよばれることも多い。アメリカでは、1970年代後半に投資銀行ドレクセル・バーナム・ランベールが市場を開拓し、80年代には相手企業の資産などを担保にした多額の借入金を使って敵対的買収を仕掛けるLBO(leveraged buyout)の手段として注目された。日本では、長く債券を発行するのは一部の優良企業や公的機関のみであったが、96年の適債基準撤廃後は、低格付け債も発行が可能となっている。